そこは砂漠のオアシスですか?
それとも極寒の中に見る暖炉の炎がゆらめく部屋ですか? もしくは愛しい人の腕の中でしょうか? 今の君には太陽は命 連なる水の流れさえコマおくりの無数の王冠 操る車は群れ成す駿馬 魂の入れ物はまるで鋼 そう信じてる君の片方のつま先は中空で着地する場所を探し始めている 片足に全ての負担を感じてヒクついてる ソレを見て叫ぶ私の体は… そうね例えるなら底なし沼に渡した板の上で 悪戯に足を出し入れしている大ばか者といった具合よ 君は楽園の住人 勇ましく 賢く 愛に溢れる 眩しいばかりの愚か者 君の行く楽園に今日の無事を祈ります |
あの子が嵐にさらわれた
テレパシーみたいに便利に思えた携帯も もう今はただの時計代わり 今どこにいるの ちゃんと食べてますか 眠れていますか 無事に戻って下さい アノ子がいつも気にしていた私の無意味に謝る癖 それがアノ子を苛立たせてしまった事がとても悔やまれる 私が幼かった頃私の世界には お酒の赤鬼と狂気の青鬼がいて その鬼が暴れだすと私の口からはとめどなく謝罪の言葉が漏れ続けた 酷い時は一晩中でも謝り続けた 今でも人の不愉快を感じると謝らずにいられない 心臓が氷水に浸されたような恐怖に耐える事が出来なくて 私がもう少し強かったら、こんな悪癖でアノ子を追い詰めなかったのに どうか無事にに戻って下さい そしてこの悪癖についてだけ、ちゃんと謝らせて下さい 私 こんな所に書いても届かない事判っています・・・ 心配は何も生まないけれど 何も出来ない私だから、心配だけしています 祈ったって意味なんてないと言うけれど ソレしか出来ないので祈っています 追記です 知人からあらぬ誤解を受けてしまい ちょっと怖い出来事が続いています しかるべき場所で相談の上で携帯を変えたり 帰り道の変更などをして対処しています 新しいアドレスなどゆっくりですがお知らせしていきます お手数お掛けしますが宜しくお願いします |
指さして、あの風に名前をつけたい
アノ人のすぐ近くを優しく吹いたあの風に名前をつけて いつでも見つけられるようにしたい 指差して、アノ風に名前をつけたい アノ子の胸を騒がせて責め立てるように吹いたアノ風に名前をつけて 二度と関わらないようにしたい 指差して、その風に名前をつけたい 私の知らない世界を勇ましく駆け抜けたその風に名前をつけて 脆弱な私のもとへ吹いてくれるように願いたい |
中空にたわわに実る
あの満月を けして背に乗せようなどと試みてはいけない どれだけこの身を捩ってみたところで 私の背は猫のそれのようにはしなやかさを持っていないのだから お勤め先では未だかつてない派閥戦争が巻き起こり 間に挟まる私は滑稽なまでの面白さの果てに久しぶりの孤立を入手 家の中ではアレルギーショックを起こした 私とねね子のヒステリックな声が反響してる 朝夕には金と愛情と同情の取立て それを拒んだ先にあるのは聞きなれた 罵倒と 「明るい未来も幸せもある筈がない」 という私の将来の有り様 確実に的中するという大予言 それを聞く私の耳はとうに壊れていて こんな物は靴下の裏側みたいなものに違いないと 私の愛するものが表側で本当なのだと言い聞かせて 逃げ出していたけれど 私が今持っている幸せを大事にしていき続けたいとか 大切な人を幸せにしたいだとか そういう希望は、羽を持たないで生まれてきた物が 飛んでみたいとか何かの間違いで思うようなものなのかもしれない ね どの程度そう感じるかと言うと 両親が離婚しているとその子もまた・・・とか 「希望より思い込みが勝ってしまう不幸」程度に・・・ |